204杯目:富士そば慶応三田店で冷やし豆苗たっぷりそば |
富士そばでは、たまに「これでもかという!」というほどに、野菜を盛ったそばが販売される。「パクチーそば」をはじめ、「サラダそば」「菜の花そば」、「まるごとトマトそば」など、どれも小細工無用のド直球の振り切り具合だ。
これらのメニューは、開発者による「日常への抵抗」だと思うんです。富士そばのトッピングの多くは、揚げ物が中心になる。揚げては乗せ、揚げては乗せの繰り返し。視界はつゆと天ぷらの「茶色」で占められ、色彩を与えるのはわずかなワカメとネギだけ。たまりにたまったフラストレーションによって、衝動的に色彩を求めた結果が「野菜盛り」なのかもしれない。
昨年、二八そばの店舗として、新たにスタートした「慶應三田店」の店長は、早くも禁断症状を迎えたようだ。豆苗が山盛りの「冷やし豆苗たっぷりそば」(520円)を販売した。
盛りつけられた豆苗は、瑞々しく、くきくきとした歯ごたえ。塩ダレのひかえめな味付け。わっさわっさと口に運ぶのが楽しい。二八そばもコシがある。豆苗とそばの異なる歯ごたえが二度おいしい。
希少性:★★★ インパクト:★★★ コスパ:★☆☆