129杯目：富士そば代官山店でツナサラダそば

　私がもし富士そばの店長で「今度から代官山店を担当してね」と辞令が出たら、どんな限定メニューを販売するだろうか。なにせ、客は恵比寿駅界隈のビジネスマン、業界人なのだ。舌が肥えているに決まっている。カフェの朝食メニューに躊躇なく2000円出せる人種なのだ。
　限定メニューの開発は店舗がどんなエリアに立地しているかが大きく影響しているように思う。例えば「駒込店」の「ちくわと春菊の一本揚げそば」なんて変わりダネも、駒込住民なら笑って受けいれてくれそう。「高田馬場店」の「揚げそば」も高田馬場の人間なら、とりあえず注文してみるでしょ。
　実際「代官山店」の店長も悩んだに違いない。そして、最終的に導き出した答えは「サラダ」だったようだ。
　以前、紹介した「冷製サラダそば」以外にも「ツナサラダそば」（450円）も置いていて、なんとなくサラダ推しの雰囲気なのだ。両者とも強烈ビジュアルだけど、メディアに取り上げられることもなく、すこし後に販売された「パクチーそば」が話題になってしまった。評判を受けて「代官山店」でも販売されるかも、と思ったがそんな気配もない。悔しかったんだろうなあ、店長。　店長苦心（?）の作の出来栄えはというと、冷やしそばの上にツナとマヨネーズを和えた、みんなが好きなやつが乗ってます。そして、カイワレをパラパラっとトッピング。サラダ要素はカイワレだけ。「ツナマヨそばで良くない？」というのは野暮なツッコミは忘れて、ここはサラダ好き店長の矜持に付きあってあげよう。
希少性：★★★　インパクト：★★★　コスパ：★★☆