富士そば「水道橋店」の「鶏唐揚げ」の美味さは以前紹介した。長寿メニューらしく、「鶏唐揚げそば」に始まり「ミニねぎ塩唐揚げ丼セット」や単品メニューなど、幅広く活用されている。冷やし系そばに活用される日も近いかもしれない。個人的には唐揚げカレーを出してほしい。
ほかの店舗はどうか。検証のため「高円寺店」の「ミニねぎ塩唐揚げ丼セット」(水道橋店より10円高い540円)を注文したが、やはり別物だった。ボリュームでいえば「高円寺店」が勝っているように感じる。タレも同じもののようで、気持ち柑橘系の香りがする(気のせいかもしれない)。コンビニ弁当のようなベチャっとした衣も、値段を考えたらとくに不満はない。しかし、「水道橋店」の唐揚げを知ってしまった以上、受け入れがたくもある。
無感動な唐揚げに対して、そばのつゆは予想を裏切る味だった。ほかの店舗よりかつおの風味が強く、全体的にあっさりしていてめずらしい。店舗によっては塩からいつゆもあるので、ちょっとした感動だった。
しかし、唐揚げ丼の検証のためとはいえ、丼セットを注文するのは経済的にも、胃袋的にも効率が悪い。とはいえ、富士そばウォッチを続ける以上、このような状況は今後も多く出くわすはずだ。
などと、使命感を再認識して食器を返却口に返すと、受取カウンターに「ミニ鶏唐揚げ丼、単品注文も賜ります」のPOPが……。そういうことは券売機に書いておけっつうの! 食券をもっていくカウンターに置いてどうすんだっつうの!
満足感のない満腹感にさいなまれながら、店を出ようとすると券売機周辺にチラシが設置されていた。
仕出し弁当屋のメニュー表のようである。チラシにするほどメニューが頻繁に変るとは考えにくい。高円寺の人たちはこのチラシを眺めながら「今日は何のそばにしようかな♪」とか、考えているのかもしれない。それはとても幸せなことだと思う。
希少性:★★☆ インパクト:★☆☆ コスパ:★★☆