28杯目:富士そば渋谷東口店で常夜そば |
渋谷区には14軒の富士そばがある(つけ蕎麦たったん含む)。富士そばは都内に幅広く展開しているが、渋谷区は一番店舗数が多い。ちなみに「渋谷店」が一号店である。
店舗数が多いと言っても、渋谷区は広い。意識しない限り、各店舗の場所を把握している人は少ないだろう。私にとって、「渋谷東口店」がそんな店で、インターネットで調べてみて、「そういえばあったわ」と改めて思い出す具合だった。
渋谷は、サラリーマン、カップル、外国人……などがさまざまな人種が行きかう繁華街である。多様な客層に対応するためか「渋谷東口店」では、立ち食い席、カウンター席のほか、めずらしくテーブル席を設けている。オズマガジンあたりで紹介されることがあれば「シチュエーションに合わせて席を選んでみて」と文章が結ばれるはずだ。
初めて訪れた「渋谷東口店」では、名前にひかれて「常夜そば」(430円)を頼んだ。常夜なべをアレンジしたそばで、たぶん店の独自メニュー。券売機には「常夜(豚肉ほうれん草)そば・うどん」とちゃんと説明があり、らしくない丁寧さに感心する。豚肉はなんとなく生姜焼きのような甘い味付けだった。並々と注がれた汁と豪快に盛られたワカメ、ほうれん草から、スタッフのヤケクソ感が感じられる。
私が店に入ってからしばらくして、年配の男性客が入ってきた。が、券売機でもたついている。しばし、券売機の前で立ちすくんだのち、店員に「かき揚げそばが欲しいんだけど!?」と問い合わせていた。これは初心者が陥りやすいミスだが、富士そばではかき揚げそばを「天ぷら」と表記しているのである。
さすがに店側も予期せぬ問い合わせだったようで、券売機に「天ぷら(かき揚げ)そば・うどん」の説明は見当たらなかった。
希少性:★★★ インパクト:★☆☆ コスパ:★★☆